USJP INSIGHTS
USJP INSIGHTSは、メガトレンド、AI、脱炭素ビジネス、VUCA時代の企業経営など、日系企業のマネジメント向けの参考情報をお届けするニュースレターです。
USJP INSIGHTSは、メガトレンド、AI、脱炭素ビジネス、VUCA時代の企業経営など、日系企業のマネジメント向けの参考情報をお届けするニュースレターです。

今回は、誰もが思いつくものの答を持っていない問題を取り上げます。リスキリングは昔からある問題です。AIの登場はそのスピードと規模を大きく変えました。しかしながら、リスキリングはそれだけで完結するものではありません。経営者にとっては、「どんなスキルを」よりも「そもそもどんなビジネスをするのか」という、従業員スキルに先行する問題があります。コンピューターの登場により、ホワイトカラーの仕事の仕方はこの30年ぐらいで大きく変わりました。例えばEmailはコミュニケーションの効率を画期的に向上させました。ZoomやSlackはさらなる便利ツールとしてリモートワークを可能にしました。しかし、EmailやSlackの使い方をマスターしたことで競争優位性を確立したビジネスはありません。

現在、多くの企業でのAI活用は、文章作成、検索、要約、Excelの支援といった個人作業から始まっています。それ自体に十分な価値がありますが、最新の技術は、すでに次の段階へ進み始めています。AIが一つの質問に答えるだけではなく、情報を集め、判断材料を作り、他のソフトウェアを操作しながら、複数の作業を続けて行えるようになっています。米国での最近の議論も、モデルそのものの性能比較より、業務プロセス、企業データ、ソフトウェアとの接続が重要になっているという指摘が目立つようになりました。多くの識者が企業向けAIの競争がワークフロー、データ、AIを利用するための接続基盤へと移っていると指摘しています。

今最近日本でもムーンショットという言葉を耳にするようになりました。文字通り月を狙ってロケットを飛ばすという意味で、アメリカのアポロ計画の頃から使われているようです。それが転じて極めて野心的でハイリスク・ハイリターンのプロジェクトを指すようになりました。日本の政府も日本版ムーンショット計画を発表していますが、内容は極めて抽象的かつ空想的でどちらかというと「実現できたらいいな」という夢を描いているように思えます。米国のエネルギー庁はムーンショットをひねって「アースショット」プログラムを発表しています。月を狙うのもいいけれど、実際に地球で起こっている気象変動を解決しないとアメリカだけではなく人類全体が立ち行かなくなる、そのために野心的な目標を掲げて政府と民間の力を結集しようではないか、という意気込みだと思います。

米国政府の「アメリカファースト」政策や輸入品に対する一方的な関税の引き上げにもかかわらず、海外に進出している、あるいはこれから進出を考えている多くの日本企業にとって、米国は依然として最も有望な市場の一つと言えるでしょう。アメリカファーストといっても、外国からの直接投資に期待する声はむしろ強まっていますし、現在日米間で議論されている、政府による支援策は米国進出を考えている日本企業にとっては追い風です。もちろん米国市場は競争も熾烈です。それに加えて、文化の違いの理解、海外事業を管理するプロセスの整備、現地でのサプライチェーンの構築、製品のローカライゼーション、優秀な人材の採用と定着、複雑な法規制対応、などの課題が挙げられます。しかしながら、これらは今に始まった課題ではなく対応策があります。さらに多くの成功した日本企業から学ぶことができます。
内容に関するご質問はinfo@usjp.comまでご連絡ください。
INSIGHTSメール配信申し込みはこちらからお願いします。