USJP INSIGHTS
USJP INSIGHTSは、メガトレンド、AI、脱炭素ビジネス、VUCA時代の企業経営など、日系企業のマネジメント向けの参考情報をお届けするニュースレターです。
USJP INSIGHTSは、メガトレンド、AI、脱炭素ビジネス、VUCA時代の企業経営など、日系企業のマネジメント向けの参考情報をお届けするニュースレターです。

自動車の差別化要因は、ハードウェアからソフトウェアにシフトしています。車は「走るOS」として進化し、データを共有する社会インフラの一部となります。部品・精密メーカーにとっても、モーターや駆動系中心の時代は終わり、LiDAR、AI制御、通信部品など、知能化領域へ移っています。もちろんハードウェアの重要性は残ります。その上で、ハードとソフトが相互に補完してこれまで以上の安全生と信頼性を低価格で実現することが、日本企業の勝機になるのではないでしょうか。ハードウェアでは個々の部品の高性能化が要求されますが、ソフトウェアではプラットフォーム作りやオープン化が要求されます。そうしたノウハウをいち早く身に着けたメーカーが優位に立つでしょう。テスラやBYDの勢いには目を見張るものがありますが、日本企業が培ってきた、品質へのこだわり、安全性、地域への貢献、環境への配慮などは、アメリカ人消費者にも十分訴求できるのではないでしょうか。

2026年4月7日、アンソロピック社は最新モデル「Claude Mythos」を発表しました。わずか2カ月前に公開された前モデルOpus 4.6を、ほぼすべての面で大きく上回る性能を持つとされています。人類の知的最高水準を測定する難関ベンチマーク「Humanity's Last Exam(人類最後の試験)」において、Mythosは64.7%というスコアを記録しました。この試験は2025年1月に大学教授陣が「AIには解けないはずの難問」として作成したもので、一流大学の大学院生にも解けない極めて高度なものです。Opus 4.6の53%、ChatGPT(GPT-5シリーズ)の約48%、Geminiの約40%と比較すると、Mythosの実力は突出しています。Mythosの一般公開が見送られた最大の理由は、その強力すぎるサイバー攻撃能力にあります。アンソロピック社がMythosを用いて主要ソフトウェアの脆弱性を調査したところ、世界中の専門家が見逃してきたセキュリティ上の欠陥を、主要なOSやブラウザを中心に数千件も発見しました。

今最近日本でもムーンショットという言葉を耳にするようになりました。文字通り月を狙ってロケットを飛ばすという意味で、アメリカのアポロ計画の頃から使われているようです。それが転じて極めて野心的でハイリスク・ハイリターンのプロジェクトを指すようになりました。日本の政府も日本版ムーンショット計画を発表していますが、内容は極めて抽象的かつ空想的でどちらかというと「実現できたらいいな」という夢を描いているように思えます。米国のエネルギー庁はムーンショットをひねって「アースショット」プログラムを発表しています。月を狙うのもいいけれど、実際に地球で起こっている気象変動を解決しないとアメリカだけではなく人類全体が立ち行かなくなる、そのために野心的な目標を掲げて政府と民間の力を結集しようではないか、という意気込みだと思います。

米国政府の「アメリカファースト」政策や輸入品に対する一方的な関税の引き上げにもかかわらず、海外に進出している、あるいはこれから進出を考えている多くの日本企業にとって、米国は依然として最も有望な市場の一つと言えるでしょう。アメリカファーストといっても、外国からの直接投資に期待する声はむしろ強まっていますし、現在日米間で議論されている、政府による支援策は米国進出を考えている日本企業にとっては追い風です。もちろん米国市場は競争も熾烈です。それに加えて、文化の違いの理解、海外事業を管理するプロセスの整備、現地でのサプライチェーンの構築、製品のローカライゼーション、優秀な人材の採用と定着、複雑な法規制対応、などの課題が挙げられます。しかしながら、これらは今に始まった課題ではなく対応策があります。さらに多くの成功した日本企業から学ぶことができます。
内容に関するご質問はinfo@usjp.comまでご連絡ください。
INSIGHTSメール配信申し込みはこちらからお願いします。